払いの悩みは「俯仰法」で

今夏、特に今月に入ってからの東京のお天気といったら、梅雨にもどったかのような毎日で、さすがに気持ちもどんよりしてきます。カラッと晴れた青空が恋しいです。今月末にちょこっと夏休みを予定していますが、お天気には恵まれてほしいなぁ。

今回は改めて「俯仰法」について、です。

最近、他の人の作品を鑑賞する際でも、また指導する際でも改めて思う事の一つは線質の良し悪しです。そうなると当然、「良い線ってどんな線なの?」という問いが生まれる訳ですが、答は多種あり、多種あることが厄介なのですが、言い換えれば書芸術の表現がそれだけ多様だという事になりますね。

では、「表現に富んだ線」とは?と置き換えると、、、「躍動感がある線」とか「「リズム感がある線」と言えます。逆に表現に乏しい線は「単調な線」や「ワンパターンな線」となる訳です。

そして、線の躍動感やリズム感はどうしたら出るの?という問いに移ります。これまた回答は多種あります。筆(毛の質や長さ)を変えただけでも変わりますし、墨量の調節でも大きく変化します。これらは道具を変える事と言えますね。すぐに出来る事です。しかし、最も線質を司るのはテクニックです。筆をどのように操るのか、これが一番大きなポイントになります。やはり「俯仰法」で線を引けるかどうか、これはとても大切です。俯仰法をマスターすれば、扱いが難しい羊毛の長鋒の筆を使えますし、超濃墨の強い線も引けるわけです。

俯仰法とは「手首先行」とか「線を引く方向に筆管(軸)を倒す」書き方です。手首を動かし掌が(下方へ)俯いたり、(上方へ)仰いたりする動きを繰り返すので「俯仰法」と言われています。

書道の経験がそれなりにあるのに、左右の払いが下手な人は結構多いですが、そんな人こそ俯仰法を改めて確認してみてください。左払いの際、最後でバサッとした線になったり、急にとがった線が数本出現したりで、せっかく他の部分が良くても台無しにしている人、筆をすくいあげるように手首を上方向に返していませんか(しかも結構早いスピードで)?右払いも綺麗に筆がまとまらず、思いのほか、長く伸びたり、線がバサついている人をよく見かけます。こういった場合も俯仰法の、手首先行の書き方を身に付けてしまえば一気に解決します。

左払い

ダメな持ち方

正しい持ち方


書道歴は長いのに、ちょっとした悩みが長らく解決していない方は、基本に戻って正しい技法が正しく身についているか、チェックしてみてください。1人ではやりにくいものですから、仲間同士で筆使いを確認しあったり、書いている姿を録画してみるのもいいかもしれません。

大字作品で線が弱く、汚い線になる人も多いですが、これも俯仰法が見についていないせいですよ。

練習では、ただ量をこなせばいいというものではありません。改善すべき点を意識し集中して取り組まなければ、紙の無駄になりかねません。

良いトレーニング教材は王羲之や空海の行書や草書です。

書道の勉強はとにかく地味。でもその一つ一つの積み重ねで確実に上達しますから、その上達を信じて楽しく、そして目的意識をもって取り組みたいものです。

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書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。

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