こだわりと素直さ

2月は早い、あっという間に終わってしまいそうです。でも春の訪れも日々、近づいていますね。目下、大きなプロジェクトを進行中の私は、少し時間がゆっくり流れてくれる方がありがたいのですが。

書道に限らない事だと思いますが、何かを成し得るには、それに対するこだわりが必要です。でもこだわりすぎて全体を見れなくなってしまう事もあります。こだわりながらも、時々周囲を見渡したり、信頼できる人にアドバイスを求めて、進んでいる道が正しい方向に向いているか、確認したり方向修正する事が大切です。その際には何といっても素直でなければなりません。

ある日のレッスンで、一人の生徒さんが私の目からみたら合格レベルなのに、当の本人は納得がいかないようで、何度も何度も書き直しています。何度書き直しても私の目には、どれもさほど変わっていませんが、本人のこだわりがあって自分の書いた字を許せないのです。こだわりは結構ですが、指導者から合格が出ているのに自分で根拠のない不合格として悩んでいるのです。合格に達したのであれば、次の課題に進んで新しいものを学び、身に付けた方が経験も増し、結果として早く、そして幅広く学習する事が出来ます。

私が書道を学び始めた頃、とにかく私はド素人なので、全てにおいて先生の言葉に従っていました。時にはもっと書き込めば今よりも上手く書けそうなときでも、先生が「ハイ、では次」と仰ったら迷わず次に進みました。何の経験もない私のこだわりよりも、多くの経験と知識を持った先生の意見に従っていれば間違いはない、と自分でもびっくりするぐらい素直なものでした。

また先生も、日頃から生徒に対して、「自分のこだわりがあって、先生から言われたことの中にはやりたくない事もあると思う。でも一度は試すべき」、「長い目で見ると、やっぱり師匠のアドバイスは的を得ているものだ」と仰います。

強いこだわりが生み出す技巧、表現もありますが、時には素直に耳を傾ける柔らかさも必要です。何事においても剛柔のバランスが大切ですね。

うまく書けなくて悩んでいる人、もしかしたら自分のこだわりが邪魔しているかもしれません。行き詰った時には先生や先輩に意見を仰ぎ、自分の意見と異なっても素直に従ってみると道が開ける事もありますよ。私は日頃から生徒さんには「書道は自分に甘く、楽しくやった方が上達します」と言っています。


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ライフワーク

もうすぐ春、日も少しずつ長くなってきたのを感じます。ですが朝晩は厳しい寒さが続き、創作に追われている私は体中の凝りが酷く、温かい春が恋しくて恋しくて。

さて、ライフワークについては今までも何度もブログで書いてきましたが、先日、少し印象深い事がありましたので、しつこいですが改めて書きます。

いつもニコニコして柔らかい印象の生徒さん。年齢は私の母より少し年下といったところでしょうか。その生徒さんの作品を添削しているときに、「最近、書道がとても楽しくなってきました」と仰って下さりました。私にとってこの言葉が最高の、最大の嬉しい言葉です。そしてもう一度、その生徒さんの作品を添削したところでその日のレッスンが終了となりました。他の生徒さんは後片付けや帰る支度を始めて少しザワザワしている中での添削となり、最後は私とその生徒さんの二人きりとなりました。

その生徒さんは「書道が楽しくなってきたし、これからは楽しい事だけしたいんです」と仰りました。そして続けて「私の人生、もう長くないし、、、」とニッコリしながら仰います。確かに自分の親ぐらいの年齢ですから、普通に考えれば私よりも先に旅立つ訳ですが、私は少し意味ありげに感じました。ややあって「私、癌なんです。全身にあちこちあって、この間も入院していたんです」と。

その瞬間、私はその方の笑顔がいつも以上に素敵に美しく感じました。ご自身が一番辛いはずなのに、笑顔で私にさりげなく打ち明けてくださったのに、ここで私が暗い顔なんて絶対にできません。私の父も癌で亡くなったので、癌と聞くだけで父の闘病や死と重なり、今でもメソメソしたり胸が潰されそうになるのですが、頑張って笑顔を返したつもりです。

人は必ず死ぬのに、その最後の日まで笑顔でいれる為の準備をどれだけ意識しているでしょうか。加齢とともに体力は衰え、若い頃に出来たことが出来なくなっていくなかでも気持ちを常に前向きに若々しく保てるよう、生涯にわたって取り組めるライフワーク、趣味はとても大切です。何かに、誰かに依存しないで、最後まで自分らしく生きぬくためにも、体力や感性が豊かなうちに、是非、真面目に考えるべきことです。

できれば「六十の手習い」ではなく、もっと若いうちにゆっくりでもいいから取り組み、基本はマスターしている事が理想です。六十代以上の方にもご指導していますが、リタイヤしてから習い始めるのはやはり年齢には勝てないものがあります。やる気があっても身に付かないのです。せっかく真面目に取り組んでいるのに、本当に勿体無いばかりです。本当の楽しみはその先にあるのに。。。

いつスタートしても、やらないよりはマシですが、いつかやりたいと思っている事があるなら、一日でも早いスタートを切るべきです。そしてどんどん自ら楽しみを見つけて、深めてほしいです。

自分の人生がいつ終わるか誰も分からないのだから、もしかしたら以外と早くお迎えが来るかもしれないのだから、その意味でも後回しなんてすべきではありません。仕事も学業も家事も育児も介護も大変で毎日が忙しく余裕なんてないでしょうが、悔いない人生を送るためにも、ライフワークや趣味も同じぐらい大切だと思っています。

プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。お問い合わせはメールフォームからお願いします。

出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

大文字の揮毫(パフォーマンス)、アートワーク制作、看板文字、ロゴデザイン制作なども承っております。お気軽にメールフォームよりお問い合わせください。

(注)プライベートレッスンについては、女性限定とさせていただいております。

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