2019/01/28
行ってきました、「顔真卿」展
ここ数日、厳しい寒さが続いていますね。インフルエンザも大流行中です。体調管理は念を入れ、もし不調な時は自分の為、周りの為にしっかり休みましょう。さて、行ってきました「顔真卿」展。ゆっくり観たかったので金曜日の夕方からたっぷり3時間以上も滞在してきました。会期中の金曜日と土曜日は午後9時まで(入場は30分前まで)ですので、金曜、土曜の夜を狙うのも一考だと思います。

私の第一印象は「ポイントを唐時代に置き、分かりやすく楽しかった」です。分かりやすく、馴染みやすく展示していた主催者側の工夫も伝わってきました。
構成は第一章「書体の変遷」、第二章「唐時代の書、安史の乱まで」、第三章「唐時代の書、顔真卿の活躍」、第四章「日本における唐時代の書の受容」、第五章「宋時代における顔真卿の評価」、第六章「後世への影響」と大きく6つに分けて展示されてています。
その中で展示点数が最も多いのは第二章。お馴染みの唐の三大家や王羲之が盛り沢山。次いで多かったのは第三章の顔真卿。初めて見るものもありました。会場内では順路が定められていないので、退場しない限り何度も戻って見る事が可能でした。
今回の主役である「祭姪文稿」は専用の列に並び、立ち止まって見る事が出来ず、歩きながらの観覧でした。そもそも文字数がさほど多くないので歩きながらの観覧はあっという間に終了、呆気なく終わってしまうので私は並び直して3回見ました。この機会を逃したら次いつ見れるか分からないし、故宮に行っても見れるものではありません。
日頃見ている印刷本とは違い息遣いや呼吸が生々しく感じられ、「ああ、確かに顔真卿が悲しみ、怒りの中で書いたんだな」と感じました。墨の持つ力でもあるのかもしれません。見れて良かったです。
これからは私個人の感想になりますが、特に心に残ったものが他にも幾つかありました。「開通褒斜道刻石」、「雁塔聖教序」、「崔子玉座右銘」、「金剛般若経開第残巻」、「伊都内親王願文」、「恩命帖」、「米芾の草書」、「王鐸の臨顔真卿軸」です。まあ、私の好みとも言えますが、線が一際強く、生きている書を感じました。
それから、拓本の美しさ、面白さも改めて感じました。唐の三大家や王羲之の有名どころは複数の拓本が並んで展示され、比較しながら観覧できます。同じ法帖でもどの拓本を臨書するべきなのか、大切な検討事項なのです。今回の展示の中では「集王聖教序」の松煙拓本(三井記念美術館蔵)が特に印象深かったです。青墨の色がしっとりと、とても美しい拓本でした。こういった事も印刷からは感じられないものです。
もうひとつ気が付いた事ですが、会場内は外国人がとても多かったです。中国人なのか台湾人なのか、私には判別できないのですが、漢字文化を共有する人々が展示作品に夢中になっている光景はいいものだと感じました。
最後に、これは会場内で唯一、撮影が許されていた「紀泰山銘」。高さが13メートルもあるもので、会場の高い天井から吊るし床に垂れる状態で展示されていました。中国の山東省にあるそうで、きっと現物を目の前にしたらまた違う印象を抱くんだろうなと、しばし楽しく想像していました。



以上、「顔真卿」展を私なりにざっと振り返ってみました。本物からしか得られれないものが沢山あります。特に初心者の方にはあまり差異を感じられないかもしれません。でも見ていくうちにわかるものです。自分なりに楽しめるポイントを決めて鑑賞してもいいのです。「このように感じなければならない」というものはありませんので、自由に、自分勝手に鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。
さて1月も終わろうとしています。早いですね。お蔭様で私はインフルエンザや風邪をひくことなく過ごしています。何となく次の創作のアイデアも沸いてきたところです。寒さはまだ続きそうですが、楽しく過ごしたいですね。
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