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他の分野からの刺激

2月はあっという間に過ぎてしまいました。3月も既に一週間が過ぎましたが、天候が少々不安定ですね。今日は朝から冷たい雨が降っています。でも春の花の梅やミモザが咲き、気分は着実に春に向かっています。

今日は直接書道とは関連はないのですが、現代アートについてです。

3月6日、7日に東京ポートシティ竹芝で開催されたtagboat art fairに行ってきました。このブログで最近紹介している配信サイト「00:00 studio」で連日配信されている作家さんの創作現場を画面から見て、完成した作品をどうしても自分の目で見たいと思ったからです。

日頃からアート鑑賞は好きで、一人であちこち行くのですが、思い出してみてもアートフェアに一人で行ったのは初めてです。

その作家さん、アーティストネームはOUMA(オーマ)さんといいます。詳しくはホームページなどご参照いただきたいのですが、彼女の作品のコンセプトがどれも興味ぶかく、また共感できるものが沢山ありました。

特に壁一面に広がる壮大な作品、これはハガキサイズのピースの集合体。その集合体で作品なのですが、実はその構成する1ピース毎もアートであり、1ピースでも購入できるのです。だからよく見ると、ところどころ欠けている箇所がある。実際、世界各地で、色々な方が購入されているそうです。

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そして欠けた(売れた)箇所は、新たなピースで埋めることなくそのままにし、購入した人の思いや歴史を重ねていく、というのがこの作品のコンセプト。せっかく作った作品が欠けるのは勿体ないような気もしますが、その作品を愛して購入してくれた人の思いが詰め込まれるのは、参加型アートともいえますよね。

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そして私も参加しました。そうです、その場で1ピース購入しました。今の自分に欲しい色、イメージにぴったり合う一枚を選びました。一枚はハガキサイズなので、手持ちのフォトフレームが使えるのも良い。

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書道ではなかなか出来ない(出来たとしても彼女のアイデアの二番煎じになるので、やりませんが)ことで、現代アートならではの楽しみ方だと思いました。でも、書道にもやり方は異なっても、見る方が楽しめる工夫にはもっと検討の余地があると思いました。今まで、かなり一方的だったかな、と少し反省もしています。

芸術は作品とみる人との対話、自分の活動においてその根底を見直そうと思っています。

たまにこうして他のジャンルの作品を見て、作家さんから直接お話を聞ける機会は、自分の考え方や活動の枠を広がるものだと強く思った体験でした。

そして作業配信の力はスゴイ、という結論にもなる訳です。他のSNSからは伝わらない、作業している人の人柄や作業工程の一部が垣間見れる事、見せる事は、時に見ている人の行動や思考も変えてしまうのです。

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行ってきました、「顔真卿」展

ここ数日、厳しい寒さが続いていますね。インフルエンザも大流行中です。体調管理は念を入れ、もし不調な時は自分の為、周りの為にしっかり休みましょう。

さて、行ってきました「顔真卿」展。ゆっくり観たかったので金曜日の夕方からたっぷり3時間以上も滞在してきました。会期中の金曜日と土曜日は午後9時まで(入場は30分前まで)ですので、金曜、土曜の夜を狙うのも一考だと思います。

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私の第一印象は「ポイントを唐時代に置き、分かりやすく楽しかった」です。分かりやすく、馴染みやすく展示していた主催者側の工夫も伝わってきました。

構成は第一章「書体の変遷」、第二章「唐時代の書、安史の乱まで」、第三章「唐時代の書、顔真卿の活躍」、第四章「日本における唐時代の書の受容」、第五章「宋時代における顔真卿の評価」、第六章「後世への影響」と大きく6つに分けて展示されてています。

その中で展示点数が最も多いのは第二章。お馴染みの唐の三大家や王羲之が盛り沢山。次いで多かったのは第三章の顔真卿。初めて見るものもありました。会場内では順路が定められていないので、退場しない限り何度も戻って見る事が可能でした。

今回の主役である「祭姪文稿」は専用の列に並び、立ち止まって見る事が出来ず、歩きながらの観覧でした。そもそも文字数がさほど多くないので歩きながらの観覧はあっという間に終了、呆気なく終わってしまうので私は並び直して3回見ました。この機会を逃したら次いつ見れるか分からないし、故宮に行っても見れるものではありません。

日頃見ている印刷本とは違い息遣いや呼吸が生々しく感じられ、「ああ、確かに顔真卿が悲しみ、怒りの中で書いたんだな」と感じました。墨の持つ力でもあるのかもしれません。見れて良かったです。

これからは私個人の感想になりますが、特に心に残ったものが他にも幾つかありました。「開通褒斜道刻石」、「雁塔聖教序」、「崔子玉座右銘」、「金剛般若経開第残巻」、「伊都内親王願文」、「恩命帖」、「米芾の草書」、「王鐸の臨顔真卿軸」です。まあ、私の好みとも言えますが、線が一際強く、生きている書を感じました。

それから、拓本の美しさ、面白さも改めて感じました。唐の三大家や王羲之の有名どころは複数の拓本が並んで展示され、比較しながら観覧できます。同じ法帖でもどの拓本を臨書するべきなのか、大切な検討事項なのです。今回の展示の中では「集王聖教序」の松煙拓本(三井記念美術館蔵)が特に印象深かったです。青墨の色がしっとりと、とても美しい拓本でした。こういった事も印刷からは感じられないものです。

もうひとつ気が付いた事ですが、会場内は外国人がとても多かったです。中国人なのか台湾人なのか、私には判別できないのですが、漢字文化を共有する人々が展示作品に夢中になっている光景はいいものだと感じました。

最後に、これは会場内で唯一、撮影が許されていた「紀泰山銘」。高さが13メートルもあるもので、会場の高い天井から吊るし床に垂れる状態で展示されていました。中国の山東省にあるそうで、きっと現物を目の前にしたらまた違う印象を抱くんだろうなと、しばし楽しく想像していました。

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以上、「顔真卿」展を私なりにざっと振り返ってみました。本物からしか得られれないものが沢山あります。特に初心者の方にはあまり差異を感じられないかもしれません。でも見ていくうちにわかるものです。自分なりに楽しめるポイントを決めて鑑賞してもいいのです。「このように感じなければならない」というものはありませんので、自由に、自分勝手に鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。

さて1月も終わろうとしています。早いですね。お蔭様で私はインフルエンザや風邪をひくことなく過ごしています。何となく次の創作のアイデアも沸いてきたところです。寒さはまだ続きそうですが、楽しく過ごしたいですね。

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六義園ライトアップ

一気に厳しい寒さになりました。今まで暖かかっただけに、寒さが堪えますね。

先週の土曜日、六義園のライトアップを見てきました。六義園は何度か行った事はありますが、紅葉のライトアップは初めて。もともと行くと予定していなかったのですが、その場の流れで(?)行くことになったのですが、とても良かったです。

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寒さは苦手ですが、四季がある事、その四季を愛でる事はやはりいいものだと思いました。その季節にある美しさを感じられれる事、そしてその美しさに心を留められるような過ごし方を大切にしたいものだと思いました。

忙しくても、目の前の美しい物事、人の気持ちに鈍感にならないように自分と対話する事、忘れたくないですね。

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「書について」(高村光太郎)を読んで

9月に入り、空も秋の模様になりました。季節の移ろいを感じますね。そして9月ということは今年の残りはあと4ヵ月。本当に早いですね。

昨日、少し調べ物をしていて、偶然にタイトルにもある高村光太郎の「書について」という文章に出会いました。言うまでもなく彼は偉大な芸術家です。彫刻や絵画、詩など広い分野にわたり、作品を残されています。そんな彼が「書」について、どのような思いがあったのか、かなり興味があり、気軽な気持ちで読み始めたものの、冒頭で「おっ!これは心して読むべき物だぞ」という、一種の緊張感に包まれました。

その冒頭とは
「この頃は書道がひどく流行して来て、世の中に悪筆が横行している。なまじっか習った能筆風の無性格の書や、擬態の書や、逆にわざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書などが随分目につく。」
というものです。

どうですか?これ、今と全く変わらない様です。現在、書道がひどく流行しているかどうかは一概に言えませんが、でもやってみたい習い事では大人も子供も書道は必ず挙がっています。そして、何よりも気になるのが、彼の言葉でいう「わざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書」が、あたかも素敵なものとして扱われている現状。

ああ、このような状況は高村光太郎が活躍していた時代から存在して、どんどん退化の一途をたどっているのか、と改めて痛感したのでした。

この「書について」は短くさっと読める文量でありながら、全体を6つに区分けし、構成されています。ざっと内容をつまんでみると、

一:
書は習うに越したことはない。もともと書は人工に起源を発し、伝統の重量性にその美の大半をかけているので、生まれたままの自然発生的の書には深さがなく、脆弱で味気ない。

二:
人工から起こったものは何処までも人工の道を究めつくすのが本当。生まれながらに筆硯的感覚をもっている人ですらそうであるから、その感覚をもっていない人の書となると、俗臭に堕する。そして世の中にはそういう書が幅をきかせている。

三:
書は造形的であるから、その根本原理として造形芸術共通の公理を持つ。比例均衡の制約。筆触の生理的心理的統製。布置のメカニズム。感覚的意思伝達としての知性的デフォルマション。こういうものを無視しては書が存在しない。書を究めるということは造形意識を養う事であり、この世の造形美に眼を開くこと。

四:
漢羲六朝の碑碣の美はまことに深淵のように恐ろしく、実にゆたかに意匠の妙を尽くしている。しかし筆跡の忠実な翻訳というよりも、筆と刀との合作といるべきものがなかなか多い。それゆえ、古拓をいたずらに肉筆で模しても俗臭堪えがたいものになる。

五:
王羲之の書は、偏せず、激せず、大空のようにひろく、のびのびとしていてつつましく、しかもその造形機構の妙は一点一画の歪みにまで行き届いている。書体に独創がおおく、その独創が普遍性をもっている。

六:
書は当たり前と見えるのがよい。無理と無駄との無いのがいい。力が内にこもっていて騒がないのがいい。悪筆は大抵余計な努力をしている。そんなに力をいれないでいいのに、むやみにはねたり、伸ばしたり、ぐるぐる面倒な事をする。

どうですか?しっかりとした書道論ですね。特に「三」は、さすが後世に名を残した芸術家の視点だな、と感服しました。書道を学んでいる者の中で、どれだけ造形芸術共通の公理や意識を気にしているでしょうか?

また最後の「六」も、心当たりありませんか?最後の「はね」がやたらに強調されたり、必要以上に伸ばされたり・・・本当によく見かけるものですね。また、それが恰好が良いと評されるのだから困ったものです。

どの世界にも言える事ですが、良いものは無理と無駄がないものだと改めて胸に刻んだ次第です。自戒のためにも、今回、ブログでこの「書について」をご紹介いたしました。

※ちなみに高村光太郎は著作権が切れていますので、全文を読んでみたい場合には青空文庫で読めます。

過ごしやすい季節になりましたから、じっくり落ち着いて基本に向き合ってみるのもいいですね。

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忙しい中、京都へ

二月も下旬、梅が咲き、少しずつ春を感じるようになりました。すっかり更新が滞ってしまいました。創作が佳境となり、気忙しく過ごしていました。

そんな中、先週の金曜日と土曜日に一泊で京都へ行ってきました。一番の目的は大徳寺聚光院の特別公開の拝観。創建450年を記念して、国宝である障壁画を期間限定で公開しているものです。国宝の障壁画は、通常は京都博物館に所蔵されており、この記念公開期間中だけ、聚光院に里帰りしているという訳です。この特別公開は師匠から聞き、勧められたので、滅多に無い機会でもあるので、一か月ぐらい前に拝観予約していました。

これは見て本当に良かった!解説員付きで見て回るので、鑑賞のポイントも教えてもらえるので理解も深まります。ご興味のある方、公開は3月26日まで、ホームページから予約が必須となります。(予約なしでも空きがあればその場で申し込みできるようですが、私が行った時は予約で全て埋まっていました。)

撮影が一切不可だったのですが、むしろ撮影できなくて良かったと思っています。神経を自分の目と心に集中させることが出来ました。

今回は久しぶりの京都ということで、個展前で忙しい時でしたが、思い切って一泊し、レンタカーで回りました。聚光院以外は金閣寺、広隆寺、妙心寺、嵐山、八坂神社とその周辺など、ゆっくり見て回る事ができました。食事やカフェも楽しんできました。

最近、忙しかったからこそ今回の京都旅行は心に沁みました。充実した時間を過ごせたので、これからの最後の踏ん張りも何とか乗り切れそうです。

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プロフィール

書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住

美帆

Author:美帆
書道家(書道師範)、東京生まれ、北海道育ち、現在都内在住。あおい書道教室を主宰、大人から子供までを指導。

毎週月曜日夜間クラス(場所:新橋、成人対象)、隔週火曜日午後クラス(場所:高島平)の生徒募集中です。
レッスンの詳細はホームページ
(https://www.miho-ismt.com)をご覧ください。
お問い合わせはホームページ、または本ブログのメールフォームからお願いします。

出張指導にも応じています。プライベート、グループ(企業・団体への出張可)でのレッスンなど初心者から師範取得まで柔軟に対応いたします(級、段の取得可能)。

いまさら聞けない筆使いの基本、臨書の学習方法、創作の基本、理論などに特化した経験者向けの指導も可能です。既に他の教室で習っているものの行き詰まりを感じている方、伸び悩んでいると感じている方、私をセカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。

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